林精器製造株式会社
創立:大正10年4月15日

本社・須賀川工場横山事業所
須賀川市横山町139番地
0248-75-3151
須賀川工場:須賀川市森宿字向日向45番地
0248-75-3153
玉川工場:石川郡玉川村大字竜崎字原作田27-1
郡山工場:郡山市田村町下行合字田ノ保下1-19
024-943-3061
大河原工場:郡山市大河原87番地5

代表取締役社長:林 明博

事業内容:各種腕時計側(ウォッチケース)の製造及び精密金属加工、装飾及び機能めっき、機械装置の設計、製作、組立
HP http://www.hayashiseiki.co.jp/
美しい金属を創る、世界最高水準の技術
------震災で建物が倒壊。火災が発生------
福島県須賀川市で、高級腕時計のケース製造等をおこなう林精器製造株式会社(林明博代表取締役社長)。東日本大震災で、コンクリート3階建ての建物が一部倒壊しました。揺れは震度6強。当時3階で仕事をしていた経営管理部管理二課の吉田清一課長は「体を支えるのが精いっぱいだった」と当時を振り返ります。
強い揺れで天井が落ち、停電。あたりは真っ暗に。社員同士声を掛け合いながら、脱出口を探し出し避難しました。1階は大型の機械が、2、3階はデスクやキャビネットなどが天井を受け止め、身を守るスペースを作っていました。倒壊後、火災も発生しましたが、従業員は全員無事。「奇跡としかいいようがない」と吉田さんは話します。その奇跡が復興への力となりました。

(写真:震災翌日の工場倒壊部分)
------これまでは「復旧」これからが「復興」------
震災翌日、対策本部を設置。立て直し計画を図りました。部品生産が止まれば、その先にある製品も生まれません。「止めるわけにはいかない」。須賀川市内の空き工場を借りることができたものの、移転にともない機械を運ぶ業者は、震災の影響で手いっぱい。リース車を借り、社員で移設部隊を作り機械を運び出しました。震災から1カ月後の4月15日には、一部の生産ラインを再開。3カ月後の6月には、全行程の生産を再開しました。

最短期間で生産の復旧は成し遂げたものの、震災と、震災後に発生した福島第一原子力発電所事故による放射能、そして円高の影響も重なり、現在の売上高は震災前の約8割。これからが「復興」と考えています。
------美しい金属を作り続ける------
林精器製造が誇る世界最高水準の技術。創業当初からウォッチケースの製造を手掛け、精密部品事業、めっき・表面処理事業、機器事業を展開しています。設計から完成まで一貫した対応をとることで、幅広いサービスを提供し、自社ブランド商品の提供を視野に入れた事業展開を図っています。平成23年には福島県第4回うつくしまものづくり大賞を受賞。高級腕時計ケースにおける、ザラツ研磨の技能・技術伝承が高く評価されました。

また、福島県・郡山市・自治体の支援をもとに、産官学連携型開発を進めるほか、人材育成を図る「ものづくり研修塾」を社内で展開。研磨技能士コースと、石留め技能士コースを開設し、匠の技を絶やさないため、次世代に技術を伝承しています。

林精器製造のモノづくりにかける想いは、震災による甚大な被害を乗り越え、人から人に受け継がれた高い技術となって、これからも美しい金属を創り続けていくことでしょう。

平成24年2月取材