日産自動車株式会社いわき工場
設立:1994年1月
福島県いわき市泉町下川字大剣386番地
0246-75-1123
いわき工場長:野本 克
事業内容:自動車エンジン(VQエンジン)製造
HP http://www.nissan.co.jp/INFO/FACTORY/IWAKI/
いわきから世界へ。最新鋭VQエンジンを生産
------カルロス・ゴーンCEO 復旧を約束------
フーガやスカイラインなどに搭載されている、高級車用V型6気筒エンジン「VQエンジン」。福島県いわき市の日産自動車いわき工場(野本克工場長)で一貫生産されています。

平成23年3月11日に襲った東日本大震災。いわき工場は海から2キロ、海抜10.5メートルに位置し、津波の被害から免れました。しかしながら、震度6強という巨大地震が与えた影響は大きく、地盤沈下、製品落下、防炎壁落下など甚大な被害を受けました。工場内の床は亀裂が走り、段差や傾きなど著しく、機械や構造物の高さを合わせるためスペーサーを入れ、水平を保っています。震災2カ月後の5月17日、生産レベルは100%に復旧しましたが、引き続き地盤強化など大規模な復旧が必要で、完全復旧は平成24年6月末頃になる見通しです。

福島第一原発の事故により、3月15日から21日まで、いわき市に屋内退避命令が出ました。放射線量が下がったことで退避命令が解除され、志賀俊之COO(最高執行責任者)がいわき市長と面会し復旧を宣言。3月29日にカルロス・ゴーンCEO(最高経営責任者)が工場を訪れ、社員を労いました。ゴーン氏はいわき工場の復旧を約束。「心強かった」と社員は話します。


(写真:左 衣笠大輔管理課主担 右 江口薫管理課次長)
------いわきチャレンジ------
いわき工場エントランスに飾られているのは、震災復旧後初めてラインで生産したVQエンジン。設立以来、17年間で培ったノウハウが世界に送りだすVQエンジンは、品質を軸に世界No.1を目指しています。

アメリカ・ワーズ社が選出する「10ベストエンジン」では、世界で唯一、VQエンジンが14年連続で受賞しました。1994年に稼働を開始したいわき工場は、社員の地元採用を積極的に進め、採用された社員は現在、いわき工場の中核を担っています。
今後は「商品力をいかに上げていくか」。いわきで世界一のエンジンを造る「いわきチャレンジ」は続きます。


(写真:同じVQエンジンを製造する、北米日産デカード工場から送られた寄せ書き)
------絆と挑戦------
震災後、日産自動車全体として、物資の供給、電気自動車の貸与、いわき市への義援金の寄付など、震災復興のための様々な活動に取り組んでいます。

いわき工場は、独自の取り組みとしてボランティアを募り、がれきの撤去などを行いました。また、横浜F・マリノスによるサッカー教室を開催。放射能の影響で、思い切り外で遊ぶことができない地元の子どもたちへのプレゼントです。日産スタジアムに隣接するフットボールパークに、いわき市の少年サッカーチームを招待しました。

福島県内3カ所で開かれたミュージックイベント「LIVE福島 風とロックSUPER野馬追」では、産業復興のシンボルとして、いわき工場がグランドフィナーレの地に。そのほか中長期的サポートとして、福島県内の児童を対象とする出前授業形式の体験型教育プログラム「モノづくりキャラバン」にも取り組んでいます。
キャラバンではミニカーを使い、児童が自動車の生産ラインに挑戦。その過程で創意工夫を図ることで、モノづくりの楽しさを肌で感じています。

震災以降、さらに「地元との距離が縮まった」と管理課の衣笠さんは話します。
いわき工場が掲げるのは「絆と挑戦」。福島県いわき市から、モノづくりによる復興が始まっています。


(写真右:カルロス・ゴーン氏が工場内に記載したメッセージ)



(写真下:左と中央は復旧が進む工場内。右:生産されるVQエンジン)


平成24年2月取材