福島の未来へつなげます!リレーメッセージ!

復興と幸福を願い、11店舗が再始動

高橋秀典さん[南相馬市]
■Plofile
南相馬市で10年間飲食店を経営している高橋秀典さん。商売をやりたく、自分の力を試せるのは飲食店だと奮起。大阪で修行を積み、たこ焼き店を出したのが始まりでした。
東日本大震災後、鹿島商工会議所から仮設での営業を提案され、仮設商店街の会長を任されます。自らが「鹿島福幸商店街」の名前と、看板のロゴ、デザインを担当。
10月23日に「鹿島福幸商店街」がオープンしました。高橋さんは商店街の会長を務めながら、飲食店「さくら・はる食堂」を切り盛りしています。味噌ラーメンが一押し。たこ焼き「円達」は福幸商店街向かいの店舗で営業中です。

譲れない思い

10月4日、仮設の店舗を受け渡された高橋さん達経営者。商店街の名前や看板のやり取りに一週間ほどかかり、オープンまで時間に追われました。当時、「福幸商店街」の名前に反対する声も多かったといいます。しかし、高橋さんは「絶対に曲げない」と譲りませんでした。

幸福をイメージし、福島の復興を願う高橋さんの思いが込められた「福幸商店街」。看板のロゴ・デザインにも苦労したそうです。

「さくら・はる食堂」の店内のテーブルやいすなどは全て高橋さんの手作り!プロ顔負けの店内は、仮設と思えないほどしっかりしており、高橋さんのこだわりが見受けられます。毎日夜遅くまで準備に追われ、飲食店、洋品店、花屋などの11店舗が10月23日に一斉オープンとなりました。

「本物志向」を基盤に苦節10年

大阪で修行を積みたこ焼き店を経営していた高橋さん。意外と知られていませんが、たこやき店は管理・運営が難しいそう。
大手チェーン店であれば常時、来店者がいるため、出来立てを提供できますが、個人の店はそううまくもいきません。注文を受けてから作ると10分程度時間がかかってしまうため、必ずしもお客さんが待ってくれるとは限らないと言います。とは言え、作り置きを販売すると、一番おいしい出来立てのたこ焼きを提供することができなくなってしまいます。

「味には自信がある」

早さ安さ旨さを求められるこの業界。最初は、お客様に本物志向のおいしいものを提供したくて始めたはずが、いつしか消費者の要望に妥協してしまった自分がいたと言います。

試行錯誤を重ね、苦節10年、今まで営業してきた高橋さん。
現在「さくら・はる食堂」では味噌ラーメンを軸にそばやうどん、丼ものなどメニューを豊富に揃えています。味と値段とバリエーションの多さには自信があると胸をはります。
ラーメンを始めて、いつでも出来立てを提供できるのがうれしい、とやりがいを感じているようです。

スープは自家製で、こだわりの製法で作られているそうですが、詳細は企業秘密とのこと。材料の仕入れは、高橋さん自ら仙台まで足を運んでいます。こうした努力が「さくら・はる食堂」の低価格を実現させているのでしょう。

相乗効果で次のステップに

商店街のなかには、南相馬市小高区の名店「双葉食堂」が。「双葉食堂」のラーメンは、しょうゆベースの昔ながらの中華そばで、地元の人では知らない人はいないという老舗の名店。人気店と軒を並べるにあたり、プレッシャーを感じているのでは、と思うところ。
しかし、高橋さんは「双葉食堂さんはしょうゆ。うちは味噌が売りなので、今日はしょうゆ、今度は味噌というように好みや気分などで利用してもらえたら」と前向きです。

生鮮食品などはありませんが、個人でお店をやるより商店街としての方が、交流人口が多く見込め、相乗効果があると言います。
鹿島福幸商店街ではオープニングイベントや秋祭り、カラオケ大会など各種イベントも開催。現在、年間のイベントカレンダーを製作中です。単発のイベントではなく、定期的なものを考えているそうです。
「地元産の商品を使えない状態なのが歯がゆいが、これを足がかりに、次のステップに進めれば」と話す高橋さん。

「食べてって!お店のこと知ってほしいから」そう言って出してくれた高橋さん自慢のラーメン。280円~という低価格で、味は絶品。付近の学生も来店し、元気で活気ある店内。学生のお財布にも優しい「さくら・はる食堂」です。
トッピングやお茶などはセルフサービスで、今後更に充実させていきたいと言います。儲けはあるのだろうかと心配してしまうほど。商店街のメンバーは元気で前向きな人ばかり。南相馬に立ち寄った際には、ぜひ足を運んでみてください。





●お問合わせ先

鹿島福幸商店街 さくら・はる食堂
 ●住所/福島県南相馬市鹿島区西町88,89,90番(仮設店舗)
 ●電話/0244-46-1177(円達)  ●営業時間/11:00~15:00  ●定休日/水曜