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震災2カ月後に移動販売開始。四倉の復興にかける熱い想い

新谷尚美さん[いわき市四倉]
■Plofile
兵庫県出身。平成11年にオープンした「四倉ふれあい物産館」で輸入雑貨を扱う店舗「くさの根」をオープン。平成22年、四倉港に道の駅が開所。「くさの根」は規模を広げ、道の駅で新しくスタートを切ります。順調に売り上げを伸ばしていた時、東日本大震災の津波ですべてを失うも、平成23年10月に空き店舗を利用し営業を再開しました。

人と人とのつながりが営業再開の力に

いわき市四倉の空き店舗を利用して、平成23年10月1日に再オープンした「くさの根」。
以前コンビニエンスストアだったと感じさせない落ち着いた空間を創り出しているのは、店内の内装に使われた木材。木の香りあふれる空間が広がります。
「いらっしゃいませ」とひときわ明るい笑顔で出迎えてくれたのが新谷尚美さん。
兵庫県からいわき市に嫁ぎ事業を展開。震災後復興に向けて走り続けています。

平成11年に網倉を改装しオープンした「四倉ふれあい物産館」。新谷さんは輸入雑貨を扱う店舗を物産館内にオープンしました。
3年前には仲買いの免許を取得。平成22年、四倉港に「道の駅よつくら港」が開所すると、道の駅内に店舗を移転。販売したのは四倉港で水揚げされた新鮮な魚や地場産の野菜。地元の食材を使った食事も提供し、売り上げを順調に伸ばしていました。

事業に手応えを感じていた時、震災が発生。道の駅を襲った津波はすべてを奪い去りました。震災後、実家がある兵庫県に戻っていましたが、メディアが報じる福島県の状況にいてもたってもいられず、四倉に戻ってきました。
自宅も地震の被害に遭いましたが、自身や家族、従業員全員が無事だったのが何よりの喜び。
5月には食品の移動販売を開始させ、ボランティアや友人、従業員の力を借りて走り回りました。

復興にかける想いと、雇用を創出しなければならないという想いは次第に形に。
道の駅からほど近い空き店舗に、7つのテーブル席を設けた食堂とギャラリー、直売所を併設した「くさの根」が復活しました。
「人の支え」を感じたと話す新谷さん。
それまで培ってきた人とのつながりから、仕入れルートを新たに開拓。店内に並ぶ野菜や魚、以前と変わらないメニュー。大きな囲炉裏のまわりには、変わらない味に舌づつみを打つ人の笑顔が戻りました。

名物海鮮丼480円は健在!

同店の目玉はなんといっても海鮮丼。道の駅で営業していた頃からの人気メニュー。
震災後、原発の影響で四倉港の水揚げがなくなりましたが、新谷さんは独自の新しいルートで鮮魚を仕入れ、提供しています。480円とリーズナブルな価格でありながら、ボリュームも味も大満足のひと品。
トロトロに煮込んだ絶品チャーシューのラーメンや、器から大きくはみ出すボリュームたっぷりの穴子天ぷらが乗った丼ぶりも人気です。
営業時間は午前7時から午後10時まで(朝食午前7時~11時、昼食午前11時~午後3時、夕食午後5時~10時。オーダーストップ9時)。家庭的な手づくりの味が魅力となっています。

笑顔が集まる四倉の元気の源に

「くさの根」は食堂、ギャラリー、直売所のほか、弁当の宅配や移動販売もおこなっています。地元のサークル活動を支援する場も提供。英会話や中国語講座、絵手紙、おはなし会などの活動の場として、午後3時から5時まで店内のスペースを開放し(1回15人まで。要予約)、交流の拠点としての機能も果たしています。

「目標は四倉で水揚げされた魚を加工して、イベントなどで販売すること」と新谷さん。
ふんわり柔らかな身としっかりした味が自慢の「みりん干し」は、新谷さん自慢の逸品。「技術はある」と話す言葉には、自信が満ちあふれていました。
新しい「くさの根」は、力強く前へ前へ進んでいます。




●お問合わせ先

「くさの根」
 ●住所/福島県いわき市四倉町東1丁目167-1(セブンイレブン跡)
 ●電話番号/0246-32-6460   ●営業時間/午前7時~午後10時   ●店休日/1月1日のみ