福島の未来へつなげます!リレーメッセージ!

育児の悩みを抱える人の力になりたい

泉田悠子さん[郡山市]
■Plofile
福島県双葉郡富岡町出身。特定非営利活動(NPO)法人日本ポーテージ協会相談員。大熊町でコンビニエンスストアを営むご主人の事業を手伝っていたが、平成20年、発達遅滞乳幼児のための早期教育プログラム「ポーテージ」に出会い、「悩みを持つ母親の力になりたい」と同プログラムを学び、ポーテージの富岡教室と平教室を受け持つ。東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故の影響で、富岡町が警戒区域に。家族で郡山市へ避難し、平成23年7月に郡山教室を開講した。

母親が肩の荷を下ろさなければ、子どもは成長しない

アメリカで生まれた発達遅滞乳幼児のための早期教育プログラム「ポーテージ」。
発達の遅れた子どもたちのために開発され、なるべく早い時期、例えばゼロ歳からでも早期教育をおこなうことで成果につなげます。

泉田さんがポーテージに出会ったのは平成20年。
自身も2人の子どもを育てた経験から、悩みを持つ親の相談相手が必要と感じ、ポーテージのプログラムを学び始めました。
プログラムは心理学を基にした576項目のチェックリストで構成されています。子どもができないところを拾い上げ、家庭での指導法を親に伝えます。相談員が子どもを直接指導するのではなく、家庭で指導する方法を親に伝えるのがこの指導法の特徴。そのため親の持つ様々な悩みに、じっくり耳を傾けることも必要です。

「母親が肩の荷を下ろさなければ、子どもは成長しません」。
泉田さんは富岡町といわき市平の2つの教室を受け持ち、たくさんの母親の悩みを受け止める活動をしてきました。

震災で郡山市へ。新たな土地で再び教室を開講

平成23年3月11日の東日本大震災。
泉田さんの自宅は地震の被害から免れましたが、震災当日の富岡町はライフラインがすべて止まり、外部情報が入りにくい状況になっていました。
翌12日午前6時、町外へ避難するように指示されます。なぜ避難しなければならないのかわからぬまま、家族や友人たちと隣の川内村へ自家用車で脱出。すぐに戻れると思い、通帳も印鑑も自宅に置いたままでした。
状況が少しずつわかってきたのは川内村に入ってからのこと。川内村は電気が通じていたため、震災に関する情報が入っていました。

避難の理由が福島第一原発によるものと知ったのはそれから。
富岡町に戻れぬまま、着の身着のままで栃木県那須町へ。ご主人が経営する大熊町のコンビニエンスストアも、警戒区域に指定され帰ることができません。「これからどうしよう」。15歳と12歳の子どもと両親を抱え、先が見えない不安との戦いが始まりました。 その後郡山市内のマンションに入居しましたが、家財道具も何もない状態。一時帰宅で自宅に2回、店舗に1回戻れたものの、戻れたのはわずか数時間。苦境に立たされましたが、泉田さんは気持ちを切り替えます。
「場所が変わっても電話やメールで相談に乗れる」。
郡山市で平成23年7月、ポーテージの教室を開講しました。

ポーテージに固執せずお母さん方のよきパートナーに

避難先で新しく教室を開講するバイタリティと、少しでも人の役に立ちたいと思う意思は力強さと頼もしさを感じます。

「郡山市の生活を楽しんでいます。向こう(富岡町や大熊町)で知り合えない人とたくさん知り合えました」と泉田さん。
原発事故という辛い出来事に直面しましたが
「人生の勉強になりました。悪いことばかりではなかった。家族の大切さに気付き、絆が深まりました」と話す優しい笑顔が印象的です。
「ポーテージに固執せず、お母さん方の相談に乗りたい」。
そう話す言葉一つひとつから、「力になりたい」という思いが伝わってきます。

泉田さんの教室は白色とオレンジ色を基調とした明るい室内。床全面にカーペットが敷かれ、小さなお子さん連れでも安心です。相談料は初回1,000円。次回より60分3,000円。わかりやすいシステムとなっています。
育児で悩む親たちが相談できる場として、泉田さんの今後の活躍が期待されます。




●お問合わせ先

日本ポーテージ協会小名浜支部郡山教室「Kid's House」
 ●住所/郡山市桑野3丁目15-6 クローネ郡山Ⅱ106号 
 ●電話番号/024-973-8574または080-1678-5352  ●営業時間/9:30~17:30